鎌近、釈迦堂切通し、そして北鎌倉にある「縁切寺」として有名な東慶寺にも行ってきました。現在は男僧の寺ですが、覚山尼(北条時宗の夫人)開山から明治まで本山を持たない独立した尼寺だったそうです。
「縁切寺」と言えば、「今日、鎌倉へ行ってきました〜♪」とグレープの曲を思い出すところですが、今回の目的は山田風太郎・著「柳生忍法帖」の舞台の一つということで行ってきました。もちろん、夫の提案で。
舞台は江戸時代。豊臣秀頼の娘、天秀尼が千姫の養女として東慶寺の20世住持だった頃。
二十三人の尼さんが惨殺されたのはこの辺りかなー。 |
鷲ノ巣廉助が素手で山門破り(現代の山門、薄いけど)したのはここかなー。 |
助けを呼ぼうとした鐘はここかなー(もちろん阻止される)。 |
十兵衛が腰に鈴をつけて歩いた杉林はこの辺りかなー。 |
紅梅の蕾で辺りはピンク色。 |
前にも書いたのですが、教会やお寺さんとは相性が悪い(神社はヘーキ)。霊感?ないない。心霊スポットの八王子城址でそれと知らず「清々しいなあ!ここ」と深呼吸するような鈍感な神経なので、恐らくは物理的要因。蝋燭や線香の匂い、色鮮やかな色彩、祈りの声、そんなものにやられて頭痛や吐き気がして長時間滞在できないのであります。でもこちらは凄く楽でした。本堂へ入らなかった、というのもあるのでしょうが、とても気持ち良く歩けたお寺でした。
▼柳生忍法帖のことなど▼
あらすじ
東海道を僧侶姿の二十一人の男たちが畜生さながらに曵かれてくる。会津城主、加藤明成。美しく若い女とみれば、あるゆる手段を用いて我が物にし、最後は皆殺し。家老の堀主水はそれを諌めるものの、そんな言葉に耳を傾けるわけもなく、対立激化。いわゆる「会津騒動」により、謀反の咎により追われた堀一族。男たちは高野山へ僧侶として身を隠すが、捕らえられてしまう。
切腹はおろか、磔も火あぶりさえも生ぬるい。少しでも苦痛を長引かせながら殺さねば気が済まぬ。そう舌なめずりするのは、明成と側近の芦名七本槍。途中、堀の女が匿われている鎌倉の東慶寺、縁切り寺で有名な女寺へ立ち寄ると言う。「最後の別れをさせてやる」その言葉に堀一族は「かたじけない」と感謝するものの、感動の御対面ならば話は進まない。「嘘ぴょーんwww」とばかりに男子禁制の女寺を山門破りをした挙げ句、二十三人の尼僧を惨殺。東慶寺を訪れようと通りかかった時の将軍の姉である千姫(天樹院)により、辛くも七人の女が生き残る。
「許さねえ、、、」と思うのは、残された堀の女だけでなく、気の強さなら右に出る者なし千姫も同じこと。千姫と沢庵和尚により、仇討ち指南役として抜擢されたのは、隻眼の天才剣士、柳生十兵衛。しかし、十兵衛は助太刀はするが、あくまでも仇を討つのは女たち。
明成を守る芦名七本槍は、十兵衛さえも互角と認める猛者揃い。会津国境を固める芦名一族。芦名一族頭領の銅伯老は、齢百八才不死の魔人。銅伯の娘で明成の愛妾、ゆら。舞台を江戸、そして会津へと移しながら、ドS集団VS素人娘七人の死闘がはじまる。
感想
逆転また逆転。ドキドキハラハラ。上下巻の長い話だけど飽きる場所がありません。
でもね、登場人物の誰が好きかといえば、私はバカ殿の明成だったりする。この殿様以外は、全員命がけ。こうなると敵味方、善悪、正誤、なんて関係ない。そんな中でエロ全開の能無しさんがいい味を出している。この殿様がいることで、読み手として肩入れの方向を見失わないのであります。ほかの作品でもそうだけど、こういうダメキャラって重要。
散々楽しんだ後のラストが一文がもうもうもう!この一文のためだけにもう一度読み返したいぐらい。この色男さんめっ!!!と悶えるのでありました。ホント、オススメの小説です。
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さて、ここからは夫と別行動。夫は一人きままな鎌倉歩きを続け、私は町田へ移動してライブを観に行きました。
さて、ここからは夫と別行動。夫は一人きままな鎌倉歩きを続け、私は町田へ移動してライブを観に行きました。