2015年12月31日木曜日

また一年が過ぎる

2015年も残りわずか。今年はどんな年だったかといえば、「老い」を突きつけられた一年でした。

白髪が爆発的に増え、老眼鏡がないと文字を読むのも書くのも難しくなってきた。回復しない体力、食事を控えても増え続ける体重。何より驚いたのは睡眠への執着がまるでなくなってきたこと。もっともショックなのは左の頬が陥没(恐らく肉が下に落ちてきたと思われる)したこと。もうね、ボッコボコ。齢をとるって残酷だなあああああ。

年が明ければすぐに誕生日。四十代最後の一年です。四十代は、仕事、プライベート、精神的にも安定し、毎日がつつがなく過ぎていきました。十代半ばから周囲と自分に振り回されてきた私には大袈裟ではなく夢のような日々。何一つ、不満などない。…なんて隠居気分している場合かよ!…はい、いきなりやってきました。「やるぜ」のスイッチオン。ってことで、来年は狂ったように走る予感がします。実は既にその体勢に入りつつあって、さっそく胃をやられました。

「言葉で、自分で自分を縛るのはどうかと思うよ」
「やってもいいし、やらなくてもいいし」
私より私を知っている夫がサラッと言う。

普段はノーテンキに暮らしているくせに、走り出すといきなり自分が見えなくなる。ペース配分も、休憩もあったもんじゃない。全力疾走。わかってはいる。でもイノシシの血筋なんだよ、イノシシ!!!

あー、まーたやってくるのかな。不安定でしょーもない私が。若さに執着してる分、更年期リーチな分、厄介な私が。いやだなあ。どうするかなあ。そうさなあ。私が私にわからなくなったら、夫に訊いてみるかー。いろいろな人の言葉に耳を傾けよう。あらゆる感情を受け止めながら2016年を、来る年月を過ごせたらと思います。




何十回、何百回と聴いただろう曲。今年はこの曲が胸に突き刺さったままです。

薔薇がなくちゃ生きていけない。
薔薇がなくちゃ生きていけない。





文末になりますが
皆さまにとって来る年2016年が良き一年でありますよう 
心よりお祈り申し上げます。
 よいお年を。 

2015年12月31日 
橋本亜希子

2015年12月30日水曜日

”SAX ODDITIES”東京中低域結成15周年ライブ——青山月見ル君想フ

29日は、初めて東京中低域のライブへ行きました。ゲストは鈴木慶一さん。


このところ金管楽器が気になっていたところ、私にとって馴染みの薄い「バリトンサックスとはどんなだ?」という話と「ゲストは慶一さんとな!」という邪な心が加わりライブ行き決定。
こちらのライブハウスもはじめて。


ライブは一部、二部構成。正直、一部は「悪くはないけど」という感じ。二部になって所々でメンバーの半数以上がステージから客席へ。真横と真後ろ(前からもだ)でバリトンサックスが鳴っているという体験をしました。これはよかったなあ。全体的には曲の魅力がもう一声!でもバリトンサックスの音を浴びまくるという当初の目的は達成。間近で聴く音はやはり迫力がありました。

さて。慶一さんはどう絡むのかな?と思っていたのですが、バリトンサックスをバックに普通に歌ってました。エレキウクレレもって。でもあくまでもメインは東京中低域。慶一さんは顔を拝めればいいやー、と思ってましたが、久しぶりに歌声も聴けて嬉しかった。どうでもいいけどさー、やっぱ妖怪入ってきたわー。「いずれ慶一さんに抱かれにいく!」と三十年ぐらい叫んでいるわけですが、「早くしないと死んじゃうよー」とこのところ夫が言いはじめる。…確かに最近はめっきり老け込んできたし、、、と本気で心配していたけど、アレ演技だ。演技、演技。あと100年ぐらい生きそう。





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秋冬の活動期に入り、やたら忙しく、うまくストレス発散ができていないと気づきました。そこで欲望のままライブや映画の予定を入れまくった。年末は忙しいに決まっているけど、どーしても遊びがほしかった。案の定、更に時間はなくなったけど、これまでで一番楽しい年末になりました。

2015年12月28日月曜日

直枝政広"TANKS AND CHILDREN ~十二月の空は 2015~"——赤坂グラフティ


26日は、直枝政広さんのソロライブへ行きました。カーネーションのライブへは何度も行ってますが、直枝政広さんソロは初めてです。


今月のライブのなかで最後まで行くか迷ったのは、実はこのライブでした。アコースティックなら江ノ島でいいかな、と思っていたのです。行ってよかった、いや今まで行かなかったことが悔やまれます。

今回のライブは、
ニューシングル「アダムスキー」「メテオ定食」、
新曲「まともになりたい」
ほか22曲。


ライブ中、「今、死ぬなら何の文句もないな」、と何度も思う。これまでも色々なライブでこんなことを思っていたけど、着席スタイルでこう思ったのは初めて(大抵は踊り狂いながら思っている)。今から来年末のライブを待っている、こんなことも初めて。来年もカーネーション、そしてソロのライブをたくさんやってほしいなあ。幸福な時間をありがとうございます、心からそう思ったのでありました。


この動画もかなりいい。


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二日置きに行っていた年末ライブも明日が最後。東京中低域です。ゲストは鈴木慶一さん。どんなふうに絡むのでしょうか。楽しんできます。

2015年12月27日日曜日

NOTALIN'S(遠藤ミチロウ、石塚俊明、坂本弘道)+ロケット・マツ——学芸大学 APIA40


23日は、元「ザ・スターリン」の遠藤ミチロウさんのライブへ行きました。正確には、NOTALIN'S(遠藤ミチロウ、石塚俊明、坂本弘道)、ゲストはロケット・マツさんを迎えてのライブです。


「ザ・スターリン」は、世代的には私よりちょっと上。当時は簡単に音楽が入手できる時代でもなく、ラジオからでしか知りません。ライブハウスへ通うようになっても、「ザ・スターリン」は敷居が高すぎ。パンクも嫌いじゃなかったけど、入り口辺りをウロウロして結局はあまり聴かなかったなあ。



元は渋谷にあり、遠藤さんがはじめて出演したライブハウスとか。
長いこと学大駅徒歩圏内で暮らしていましたが、
ライブハウスがあるとは知りませんでした。


終演後、どう表現したらいいものかと考えていると、夫がボソッと一言。

「今まで気づかなかったけどさ、寺山修司だよ、寺山修司、直系」。
「それかー!!!」
アンタ、うまいこと言うねー。

さて、今回一番の収穫は坂本弘道さんのパフォーマンスを目の当たりにできたこと。や、最初に思ったんですよ、なぜにこんなにチェロが傷だらけなのか?と。その答えはすぐにわかりました。かき鳴らされるチェロ。そして無数の鉛筆がチェロに落とされるところからはじまり——チェロをさかさまにしてエンドピンにグライダー。結果、客席に火花がバンバン降り注ぐ。もうねー、笑いが止まんない。


とてもとても65才とは思えない声量だった遠藤ミチロウさん、坂本弘道さん、こんなお二人を相手にするわけですから、ドラムとキーボードの底力も凄かったなあ。ただ、わかっていたことではあるけれど、曲そのものはシンプルで、聴き続けていると飽きる。でもそんなことはどうでもいいと思える。圧倒。圧巻。恐らく二度目はないけど、行ってよかった。一度は観ておけ!遠藤ミチロウ、NOTALIN'S!



火花、観れます。

原曲はボブ・ディラン。

2016年1月23日公開の映画「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」。前売り購入済。

2015年12月26日土曜日

映画「モーターズ」を観る

22日に下高井戸シネマで「モーターズ」を観てきました。監督は黒猫チェルシーのボーカル、俳優としても活躍中の渡辺大知さん。本作品は造形大学卒業制作作品でもあります。


田舎の整備工場で働くうだつの上がらない男。田中。工場の同僚・村田や可愛がっている新入りのタケオらと何となく楽しい日々を過ごしている。そんな折り、ひと組のカップルが車の修理のため工場にやって来た。その彼女に恋心を抱いてしまう田中だったが――。
——公式サイトより




渋川さん演じる田中という主人公が痛い。いや、ちっちぇえーの。いっつも笑顔ってのもねー、すんごく気持ち悪い。新入りのタケオの前だとちょっとマシな男になるんだけど、やっぱ胡散臭い。そんでこの「ちっちぇえ男」のスケールさえ絶望的に小さい。竹中直人氏がパンフにコメントを寄せていて、それに私もウンウンと頷く。その言葉を借りるなら「恐るべし渡辺大知」。

この映画は、男とか、友情とか、不器用さとか、置き換えるならそういう言葉なんだろうけど、何かしっくりこない。それは既存の、いや私のイメージの問題かもしんない。私のなかでは、あまりにも柔らかい何か(それ以上は考え中)。何となくはじまって、ゆるーい展開、そして気づくと引き込まれていました。




「黒猫チェルシー」「俳優」「卒業制作作品」。そりゃまあ風当たりも強いところがあるのは想像できるわけです。実際、私も黒猫チェルシーの渡辺さんということで観に行っているわけだし。下高井戸シネマの会員ってこともあったし。でもおもしかった。拾い物でした。もっと作ってほしいなあ。

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25日も更新するとか書いて嘘ついちゃった。ごめんなさい。年賀状を書いていたら日付が変ってて、睡魔に襲われ撃沈。たいした数じゃないのに書いても書いても終わんねえ。終わんないまま、今宵は直枝政広さんのライブへ行ってきました。でも明日(たぶん)は、遠藤ミチロウさんのライブの話を。

2015年12月24日木曜日

カーネーション「〜Winter Tour 2015〜 アダムスキー」——下北沢garden

20日はカーネーションのライブに行ってきました。もちろん、ニューシングル「アダムスキー」「メテオ定食」もやりましたよー!


ADAMSKI [Analog]
7インチアナログレコード(A面「アダムスキー」/B面「メテオ定食」)。ダウンロードコード付(全10曲)!
ちょうど35年振りにレコードを手にしました。感想はいずれまた。


今回のライブ、出だしは音が小さい?いや弱い?と思っていたのですが、気づけば太かった。直枝さんのギターと声はもちろん、密かに大田さんのベースが好きなのですが、太い!そのお二人に張替さんのドラム、sugarbeansさんのキーボード、松江さんのギター、違和感なくピタッときました。選曲もよかったなあ。ライブではやらないだろうな〜と思っていた曲も多数あって大満足!そしてアンコールは宇宙帽をつけての登場。二人とも似合ってなくてサイコー。アンコールが終わり、それでも鳴り止まぬ拍手。その先は内緒〜。毎度のことながら楽しい時間はアッという間にすぎてしまいました。







まさかの原田真二をカバー。


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このライブから四日連続で家には寝に帰る状態。もうまともに歩けない。夕方になると一回は膝を折れて転びそうになる始末。相変わらずです。今日は何の予定も入れずにのんびりしようと思っていたけど、都心部まで外出。何故ならば、前歯二本の差し歯がとれちゃったから。ものはついでとアレコレ用事を済ませていたら帰宅は19時過ぎ。明日こそ買い物以外は外に出ない。

リアルタイムでは、普段以上に簡単な夕食を終え、夫がKyoto jazz massiveをかけている。私は作業エリアでこのブログを書きながらそれを聴く。十分すぎるクリスマスイブ。

明日も更新します。

2015年12月17日木曜日

映画「創造と神秘のサグラダ・ファミリア」を観る

13日の日曜日はYEBISU GARDEN CINEMAで「創造と神秘のサグラダ・ファミリア」を観てきました。



かつて、完成までに300年かかると言われていた、アントニ・ガウディ世紀の一大プロジェクト「サグラダ・ファミリア」は、いかにして2026年完成予定となったのか。スペイン、バルセロナ。2005年に世界遺産に登録され、年間3百万人を超える世界中からの観光客を魅了するバルセロナのシンボル、サグラダ・ファミリア。カタルーニャ​の建築家アントニ・ガウディが構想し、1882年の着工から133年経った現在に至るまでいまだ完成していない建築プロジェクトを、スタッフしか入れない内部の映像と建築関係者らのインタビューによって解明するドキュメンタリー。
——公式サイトより



久しぶりの恵比寿。
写真美術館は2016年秋まで工事で閉館中。


この日はスペイン産ワインの試飲サービスがありました。
夫は赤、私は白。
白はクセがなくて飲みやすかったけど
胃を悪くしているので味見に一口だけー。


が。このワインがクセモノだった。冷たい雨の中を歩いて、ワインを飲んで、暖房のきいた部屋で、椅子に座って、暗くなったら、ねえ?夫、映画がはじまる前に落ちる。そして上映中にずっとかかっていた音楽が心地良く、、、私も落ちる。きっとこの回の上映中、半数以上は落ちたと思う。

建築や彫刻についてはある程度の予備知識があったけど、まったく知らなかったのがステンドグラス。そしてサグラダファミリア建設にあたり、新たな問題が高速鉄道のトンネル。所々、落ちていたのでまだまだ知らないことはありそう。もったいないことしたなー。いずれDVDを観ておさらいするとしましょう。それでもサグラダファミリアをスクリーンで観れたのはよかった。凄い迫力でした。(でも下高井戸シネマ目黒シネマでやらないかなー)





実は二十年近く前にサグラダファミリアを観ています。当時は、テカテカ、ツルツル、ピカピカした部分なんてまったくなくて、まさに完成などいつの日になるかわからない状態。でも歴史的建造物の制作途中を観ていることにコーフンした。石の塊、練り上げられたコンクリ、足場から舞う埃、そんな中に立っていられることに震えたのです。

だけど、もっとも感動したのは、サグラダファミリアをはじめ、カサ・ミラやグエル公園などが街にしっくりと馴染んでまったく違和感がなかったこと。ガウディは決して奇をてらった建築家ではなかったのだ、そうわかったことが嬉しかった。

2026年。うまくすればまだ私は生きている。もう一度、観たいなあ。でも別に完成していなくてもいい。「神は急いでおられない。焦らなくていい。」ガウディがそう言うんだもん、私が何を望むというのだ。


完成予想映像。



20年でここまで工事が進むとは思わなかった。

2015年12月11日金曜日

映画「ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜」を観る

11月に下高井戸シネマで「ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜」を観てきました。


ジェームス・ブラウンの伝記的映画。貧困と暴力の幼少期、窃盗による服役、ボビー・バードとの出会い、そして伝説のミュージシャンへ。


ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]


正直、映画としてのつくりは中途半端でした。ドキュメンタリーが無理だったなら、もっとエンターテインメントに徹してもおもしろかったような。でもJBのバックグラウンドを一気に知ることができたのは収穫でした。

JBの伝記ではあるけど、人としての描かれ方はボビー・バードのほうがわかりやすかったです。だからって私もJBの苦悩とかが知りたかったわけじゃない。JBもフツーの人間みたく悩んでいたんだよ、なんていらない。そういう意味では期待通り。

映画を観終わって思ったのは、JBのすべては彼の音楽のなかにあって、それを聴くことだけがJBを知ることなんだろうな、なんて当たり前のことを感じたのです。





我が家では定期的にJBのダンス真似が流行る。例の足さばき。そんでもって、夫はJBのステージを観ている。私は欲望のまま行きたいライブに行くけど、ライブ熱にムラがあって、行かないとなるとまったく行かなくなる。夫は常にアンテナを張ってて肝心なところは押さえる派。これがまた的確で妙にむーかーつーくーのー。でも私は行きたい時に行きたいんだから仕方ない。


2015年12月10日木曜日

映画「暗殺の森」を観る

一ヶ月以上前になりますが、1970年発表、ベルナルド・ベルトルッチ監督「暗殺の森」を新宿武蔵野館で観てきました。今回はデジタルリマスター版。


舞台は第二次世界大戦前夜、1938年のイタリア。哲学講師マルチェロは、過去のある事件を胸に秘めたままファシストの組織の一員となり、大学時代の恩師クアドリ教授の暗殺を命じられる。任務を遂行すべく、フィアンセのジュリアを伴い、クアドリ教授の住むパリへと向かうマルチェロだが——。


DVDにもなってます。
暗殺の森 [DVD]
「暗殺の森」のタイトルにも関わらず
このポスターを観て恐がりの私も観に行くと決める。


とにかく映像が美しかったです。建築物がいい!ファッションがいい!そして光の使い方が見事!ブラインドの光、車窓の光、森の光、etc..。ラストエンペラーでもあった「布」を使った演出もよかったし、扉ごしのアングルも印象的でした。

映像の美しさに圧倒され、ストーリーの暗さがぶっ飛ぶほどでしたが、、、映画を観ながら「あーねー」「はいはい」を心の中で連発。このマルチェロがねー、男のヤな部分全開なのー。そしてジュリアとアンナという二人の女の対比がこれまたねー。男、そして女。美しい映像にヒトの業が詰まっていたのでした。






「暗殺の森」を観た翌日に「ジェームス・ブラウン」を観てきました。明日はこの話を。

2015年12月3日木曜日

日立中央研究所秋の庭園公開

11月15日は、日立中央研究所秋の庭園公開に行ってきました。午前中降っていた雨も国分寺駅に着く頃には青空に。



こちらの研究所の創立は1942年(昭和17年)。広さは東京ドーム4.5個分、45%が緑地。春と秋、年に二回一般開放されます。


正門を通り、「返仁橋」またの名を「変人橋」を渡ります。名前の由来はこちら



案内図をいただき、、、

まずはココにつかまる。模擬店が数多く出店。

パウンドケーキの切り落とし260円。お値打ちです。

そして敷地内を散策。





こちらの見所は、野川に続く涌水。例年、この当りは大行列になるらしいのですが、この日は行列なし。ラッキーでした。

ボケボケの映像ですが一応。

中央研究所建設にあたり、創業者の小平氏は、「よい立ち木は切らずに、よけて建てよ」と指示したそうです。敷地内はよく整備されていますが、退屈なぐらいに極普通で自然な空間が広がっていました。戦後の高度成長期、バブル期、今に続く「建てちゃえ、建てちゃえ」な都内にあって、代々受け継がれてきた中央研究所。メーカーが好きな理由の一つがこういうところなんだよなあ、なんて思いながら散策していたのであります。